『お金を稼ぐ読書術』午堂登紀雄

 読書が好き。けれど、その読書によってお金を稼ぐ原動力になっているのかと問われると、それには? となる。読書は大切だ、たくさんしろ、と教育を受けてきたけれど、読書をしたから仕事で大成功しています! という人と会ったことはない。

 読書は好きだけど、ただ好きなだけの読書なのかもしれないなぁと思っていたとき、本書を見つけた。

 

『頭のいい人だけが知っている お金を稼ぐ読書術 33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法』という長いタイトルが付けられている本書。どこに一番興味を抱いたかというと、3億円。3億、私も欲しい。それが好きな読書で得られるのなら、なお理想的。そういう気持ちで読み始めた。

 文章は読みやすくわかりやすく、さらりと読み終えることができた。けれどそれは、本書でも注意しろと書いている点。反省して、かいつまんでもう一度読んだ。

 読書したらすぐにお金持ちになれる! という怪しい勧誘本ではない。むしろ、せっかく読んだ本をただ読み終えるのではなく、どのようにしてその本のいいところを自分の血肉にするのか、という本だ。だから、私みたいに3億円の文字に惹かれて読み始めた人は、少し拍子抜けするかもしれない。これは読書をお金に換えるのではなく、読書を自分の成長へと繋げる方法を紹介しているからだ。

 ただ本を一冊読んで終わり、ではなく、それを自分の中でどうやって消化するのか。その手がかりがたくさん書かれている本だと思う。

 

 本書を読んでなんだか嬉しくなったのは、著者の「自宅を「書店化」する」という意見。本屋さん大好きな私は、ついつい文庫本を買いすぎてしまうクセがある。そのクセは悪いクセではないのだと言ってもらえたような気がして、嬉しい。いや、読まなくちゃいけないなとは思っているんだけれども。

 

ー頭のいい人だけが知っているーお金を稼ぐ読書術ー33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法ー

ー頭のいい人だけが知っているーお金を稼ぐ読書術ー33歳で3億円をつくったインプット・アウトプット法ー

 

 

『マルサの女』

 久々に映画を見る時間がとれて、さあ何観ようかとなったとき。前々から気にはなっていたけど観ていなかった『マルサの女』を見ることにした。

 なんで気になっていたのかというと、旦那さんが「伊丹十三監督の女シリーズ観たい」と言っていたから。それと、昔母親が観ていたような記憶がうっすらとあり、さてこの年になって観てみたらどうだろうか? と思ったからだ。

 

 内容は、国税局捜査部に所属の主人公が、暴力団や政治家、銀行を巻き込んだ脱税を行う人物を追い詰める物語。いやぁところどころ抜きどころありの、怒涛の展開の、緩急がすごく心地よかった。それに、脱税の仕組みをものすごくリアルに描いていて、きっとこれは精緻な取材の上に成り立っているんだろうなぁ。

 なにより好きなのは、主人公の板倉と脱税者の権藤の関係。ラストの終わり方が、この映画を観てよかった、と思える終わり方。ここに描かれているのは人間なのだ、としみじみ思った。

 自分は脱税ができるような立場にはいないけれど、とても引き込まれる内容だった。それは脚本の上手さと物語の展開の速さがなせる技なのだと思う。寝癖、可愛かったしね。

 

 また機会があったら伊丹十三監督作品を観よう、と心に硬く誓っている。が、監督、お亡くなりになられている。新作が観れないのが残念でならない。

 

マルサの女<Blu-ray>

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『本へのとびら──岩波少年文庫を語る』宮崎駿

 父親が「こういう本の紹介文を書けるようになったら、いいよな」と言って、私に一冊の新書をくれた。その新書は宮崎駿監督の『本へのとびら──岩波少年文庫を語る』。パラパラとめくると、前半はカラーページで岩波少年文庫の中から宮崎駿監督が何冊か選び、文庫の説明文を載せている。後半は宮崎駿監督にとって岩波少年文庫はどういう存在だったのかが書かれている。

 すぐに読めそうだな、と思いつつそのまま平積みにしていたのだけれども、ふと気になって読んだタイミングがあった。どうして父親が「こういう本の紹介文を書けるようになったら、いいよな」と言ったのか、納得した。前半の岩波少年文庫の紹介文が、短くてあっという間に読めるのに、読み終えると紹介されている文庫をすごく読みたくなるのだ。短い文章でここまで読みたくさせるだなんて、なんてすごいのだろう。

 だから紹介されている文庫をいくつか実際に手にとって読んだ。この新書を読まなかったら、一生読むことなかったと思う。

 後半に書かれている宮崎駿監督にとっての岩波少年文庫の存在も、読むと監督の世界観を肉付けているひとつとして岩波少年文庫はとても大切なものなのだということがわかった。それともうひとつわかったのは、監督は子供たちのことをとても真剣に考えてくれているのだなということ。そのまなざしがあるからこそ、スタジオジブリ作品はあんなにも心に響くのだと思う。

 

 私が子供の頃、児童文学を真面目に読んだ記憶がない。やっぱり漫画やゲームの方が身近で、小説を読むというクセがついたのも、中学生になってからだった。もったいないことをしたなぁと、しみじみ思う。でもそう思えるのも、本書をきっかけに児童文学に大人になってから触れたからだ。これからもときどき、児童文学を読みたいと思う。

 

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

 

 

『MAGIC』back number

 3月後半になると番組改編による特別番組が増える。音楽番組を見るのが好きな私は、この時期が結構好き。普段聴かないような音楽を知ることができるし、気になってはいるけどどうだろうかという歌手の人々を知ることができる。ついでに、うわぁ歌へただな〜とか、歌上手! とかいろいろ発見もあったり。

 この間、気にはなっていたけど……と思っていたback numberの曲を聴いて「あ、アルバム買おう」となったアルバムが『MAGIC』だ。

 

 back numberに対するイメージはアルバム収録されている「HAPPY BIRTHDAY」のような、しんみりとした曲を主に歌っている、というものだったけれども、この『MAGIC』は私の偏見を覆すような楽しいアルバム。「最深部」や「大不正解」のような勢いのあるカッコイイ曲もあれば、「ロンリネス」や「エキシビションデスマッチ」のような挑戦的な曲もあったり。「瞬き」の声のトーン好きだなぁと思ったり、「オールドファッション」のような優しい歌い方もいいなと思ったり。

 買ってよかったー! と素直に思える、楽しいアルバムで大満足。

 ちなみに、私がアルバム買おうと決断した曲は「大不正解」。歌詞の転がし方が好きだなーと一回聴いて一目惚れ。映画の主題歌だったとは知らなんだ。

 

MAGIC(通常盤)

MAGIC(通常盤)

 

 

『フルーツバスケット』高屋奈月(全23巻)

 今年は『フルーツバスケット』の年だ! と勝手に思っている私。いや、そうでしょう、そうでしょうとも! だってこの春、全編アニメ化ですから!

 それに、『フルーツバスケットanother』という、フルバの登場人物たちの子供達の話の連載があり、それの三巻が発売された。まだ他にもいろいろと企画があるそうなので、今年はフルバの年、です!

 

フルーツバスケット』は少女漫画の月刊誌である花とゆめで連載されていた漫画で、私がこの作品と出会ったのは中学生のとき。コミックスがすでに6〜7巻くらい出ていたときで、知り合いが貸してくれて読んだのだ。借りて読んで、ボロ泣きして、速攻本屋にダッシュで全巻揃えた。

フルーツバスケット』は、両親を亡くし一人テント暮らしをしていた主人公が十二支の呪いにかけられた人々と出会い、心通わせ互いに成長していく物語。十二支の呪いっていうのは、異性と接触することによって十二支それぞれの動物に変じてしまう呪いだ。それだけ聞くとファンタジー一色っぽく思えるかもしれないけれど、青春あり恋愛ありの、ファンタジーの枠に収めきれ無い魅力いっぱいなのだ。

 登場人物たちのそれぞれの苦悩や苦労が、私の心の弱い部分と一致して、なんどもこの作品に励まされた。辛いときや涙が流れそうなときは、フルバを読んで元気を出した。私の青春を陰ながら応援してくれていたのは、フルバ。とても大切な宝物だ。

 

 この四月からテレビ東京の深夜枠で全編アニメ化ということで、とても楽しみにしている。ただ問題なのは、我が家はテレ東が見れない。致命的である。どうにかネット配信とか、してくれないかなぁ。

『DEEP RIVER』宇多田ヒカル

 ここ数日で桜が一気に開花し始め、近所の桜がほぼ満開な今日この頃。桜の花がなによりも好きな私にとって、この季節は待ちに待った時期。ああどこへ花見に行こうか、来週まで咲いてるかしら、と心踊るのは、私だけじゃないはず。

 桜の曲といえば人によってあげる曲はそれぞれあるだろうけれど、今年は宇多田ヒカルさんの「SAKURAドロップス」を聴きたくなったので、アルバム『DEEP RIVER』を引っ張り出した次第。

 この曲には青春の思い出があって、人前で初めて歌ったのが「SAKURAドロップス」だった。どうしてこの曲を選んだのかは覚えていないけれど、切ない曲調が好きで好きでたまらなかった。だからこの曲を収録しているアルバムは買おう買おうと少ない小遣いを貯めて買ったのが、『DEEP RIVER』。

 

 タイトル通り、『DEEP RIVER』は聞いていると深い深い世界にどっぷりと沈んだかのようなトーンをイメージする。でもそれが息苦しいのではなくて、一つの世界に入っちゃうような感覚。「幸せになろう」「Deep River」「A.S.A.P.」「嘘みたいなI Love You」「FINAL DISTANCE」と好きな曲がずらりと並び、最後の「光」でこのアルバムの世界が綺麗だな、と思える。

 なんどもなんども繰り返し聴いているアルバムで、宇多田ヒカルさんのアルバムの中で初めて買った一枚だ。だから思い出がいっぱいで、聴くたびに学生だった頃の自分を思い出す。

 11曲目が歌詞の無い曲ってのも、懐かしく感じる。今のアルバムって全部歌が入っていると思うけれど、そうそう昔はつなぎで歌のない曲があったんだよねぇ。アルバム一枚じっくり聴いていた名残みたいなものだと、私は思ってる。

 

Deep River

Deep River

 

 

『Eye of The STORM』ONE OK ROCK

 一時、音楽を聴くのをやめていたときがある。オリコンチャートが異様に偏っていた時期だ。いまではそれがかなり是正されたと思うけれど、あのときの空白で失ったものが多かったように思う。

 だからオリコンチャートに登って来なくったっていい曲を出し続けていた人々のことをあまり知らなくて、今更「もっと貪欲に音楽を探していればよかったな」と思うことがある。

 ONE OK ROCKの存在はまさにそれで、もっと早くから知っていたかったなぁとしみじみ思うのだ。

 

 今年に入って発売されたアルバム『Eye of The STORM』は、私のようなロックを普段聞かない人でも聴きやすいアルバムだと思う。それに加えてタイアップ曲も多いので、愛着もわきやすい。ホンダジェットのCMで使われた「Change」は、CMを初めて見たときからそのカッコよさに痺れた。

 なにがそんなにカッコイイのかっていうと、楽器の音の安定さと歌声の伸びだと思う。ソロ活動している歌手だとどうしても楽器に負けてしまったり楽器を負かしてしまったり、とバランスが難しいなと感じるときがある。けれど、ワンオクはそのバランスがすごくいい。カッコイイ。

 

 今回は『Eye of The STORM』を取り上げたけれど、私の好きな曲は「 Deeper Deeper」だったりする。カッコイイんですよ、この曲。

 

Eye of the Storm [INTERNATIONAL VERSION]

Eye of the Storm [INTERNATIONAL VERSION]