『ディズニー・ラヴ&バラード・コレクション』

 子供の頃、車の中にいつも置いてあった一枚のCDが大好きだった。それはディズニーのCDで、夜、両親が車を走らせている間に聴かされていた。

 『ディズニー・ラヴ&バラード・コレクション』の金色のやつだ。1999年にリリースされたコレクションアルバムで、よく知られている「A WHOLE NEW WORLD」や「星に願いを」が入ってたり、逆にあまり知らない曲も一緒に収録されていたりして、繰り返し聴いても飽きない。ついでに眠くなったりする。

 全22曲収録されていて、その中の最後の22番目の曲はピアノアレンジだ。このアレンジが好きで好きで、この曲めがけて頭から最後まで聴くこともある。アレンジした曲は「いつか王子様が」で、映画『白雪姫』で歌われている曲だ。アレンジがジャズ(なのだと私は思っているのだが)で、ジャズもまた父親の趣味でずっと聴かされていたから、耳馴染みがいい。それに、アレンジの仕方(センス)が私好みなのだ。

 それと同時にこのCDの素敵なところは、歌詞カードだ。最近のネットで一曲購入だと音楽しか手に入らないが、CDを購入すれば歌詞カードが手に入る。このCDの歌詞カードは英語表記と翻訳が並んで書いてあるので、いまこの歌詞はこういう意味なのだ、と英語が苦手な私でも理解できるようになっている。素敵なCDだ。

 

 このコレクションには銀色のやつもある。どうして金色はあるのに銀色はないのだろうと不思議に思って両親に尋ねたことがある。したら、思いもよらない返事が返ってきた。

「高温の車の中に放置していたら、溶けちゃったの」

 衝撃である。どんな状態で放置していたんだ。仕方なしに、銀色のCDをレンタルで借りて聴いたことがある。すると今度は困ったことに、金色を好んで聞きすぎて、銀色のコレクションに馴染めないのだ。

 銀色のCDを買い直すということをすることなく、金色のCDを実家の車から勝手に拝借して、自室でこっそり聴いたりしている。車にCDを放置することはしない。溶けちゃったら困るからね。