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『わたしはロボット』アイザック・アシモフ(伊藤晢訳)

 SF小説を読もう! と思い立ったときがあった。あれはなんでだったかなぁ。とにかくSF小説という分野に挑戦したくなって、ブックオフで中古の文庫本を何冊か購入した。購入する基準として、みんながオススメ、とネットで上位ランキングしているのを選んだ。そのオススメに入っていた一冊が、『わたしはロボット』だった。

 

 SF小説を読んだことがない私でも聞いたことのある《ロボット工学の三原則》。ロボット工学の三原則とは、《第一原則、ロボットは人間に危害を加えてはならない。 第二原則、ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。 第三原則、ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。》というものだ。それを考案したのが『わたしはロボット』の著者アイザック・アシモフだ。

 この三原則を題材に書かれているのが『わたしはロボット』だ。連作短編集で、ロボット心理学者であるスーザン・カルヴィンの視点から、ロボットが人間社会にどのように関わってきたのかを描いているSF小説。1976年初版、22版の文庫、創元SF文庫のものを私は読んだ。初版を知ると随分と古い作品に思われるかもしれないが、そんなことはない。リアリティのある未来図を見たような気持ちになった。

 どの短編も好きだけれども、全編通じて思うのは、ここに書かれているロボットは冷たい機械ではなく、心を持っているロボットだ。だから、こういう未来なら訪れてもいいのではないか、と希望を抱いてしまう。

 AIの普及によってロボットに使われる人間が出てくる、という主張の本を、最近本屋さんで見かける。1976年の時点でその視点を持っている本書に、どきっとさせられる。

 

 AIが急速に発展している今、『わたしはロボット』に書かれているロボット像は理想的だ。争いのない世界がロボットの出現によって可能になれば、と願う。

 

わたしはロボット (創元SF文庫)

わたしはロボット (創元SF文庫)