『本へのとびら──岩波少年文庫を語る』宮崎駿

 父親が「こういう本の紹介文を書けるようになったら、いいよな」と言って、私に一冊の新書をくれた。その新書は宮崎駿監督の『本へのとびら──岩波少年文庫を語る』。パラパラとめくると、前半はカラーページで岩波少年文庫の中から宮崎駿監督が何冊か選び、文庫の説明文を載せている。後半は宮崎駿監督にとって岩波少年文庫はどういう存在だったのかが書かれている。

 すぐに読めそうだな、と思いつつそのまま平積みにしていたのだけれども、ふと気になって読んだタイミングがあった。どうして父親が「こういう本の紹介文を書けるようになったら、いいよな」と言ったのか、納得した。前半の岩波少年文庫の紹介文が、短くてあっという間に読めるのに、読み終えると紹介されている文庫をすごく読みたくなるのだ。短い文章でここまで読みたくさせるだなんて、なんてすごいのだろう。

 だから紹介されている文庫をいくつか実際に手にとって読んだ。この新書を読まなかったら、一生読むことなかったと思う。

 後半に書かれている宮崎駿監督にとっての岩波少年文庫の存在も、読むと監督の世界観を肉付けているひとつとして岩波少年文庫はとても大切なものなのだということがわかった。それともうひとつわかったのは、監督は子供たちのことをとても真剣に考えてくれているのだなということ。そのまなざしがあるからこそ、スタジオジブリ作品はあんなにも心に響くのだと思う。

 

 私が子供の頃、児童文学を真面目に読んだ記憶がない。やっぱり漫画やゲームの方が身近で、小説を読むというクセがついたのも、中学生になってからだった。もったいないことをしたなぁと、しみじみ思う。でもそう思えるのも、本書をきっかけに児童文学に大人になってから触れたからだ。これからもときどき、児童文学を読みたいと思う。

 

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)

本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)