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『ひとことの力 松下幸之助の言葉』江口克彦

「有名な経営者の伝記でも読もうか」と、思い立った。

 何かの本で、会社経営をしたいのなら有名な経営者の伝記を読むのはオススメ、みたいな文章を読んだのだ。なるほど、いつかは独り立ちをしたいと常日頃夢見ている私に必要なのは、まずは手軽な伝記なのかもしれない。

 けれど、伝記といっても専門書みたいなものを読む気にはなれず、お手軽に楽しめないかと探して見つけたのが本書『ひとことの力 松下幸之助の言葉』だ。

 著者の江口克彦さんは、松下電器(現・パナソニック)の創業者である松下幸之助氏の側近として長年仕事をした人物で、松下幸之助氏と多く会話をし、その経営哲学や人生哲学を深く理解した人物だ。本書では、著者が実際の会話の中で思い出深いものを50項目取り上げている。

 

 松下幸之助、という名前を小さい頃から知っている。松下幸之助氏がパナソニックの社長さんだった、という知識は小学生の頃には持っていたと思う。けれどそれがけの知識であって、どういう人物なのかとかどういうことをやり遂げた人なのかということは、よく知らなかった。

 そういう社会的一般常識は大人になれば自然と身につくのだろうと楽観視していたのだけれども、現実はそうでもないらしい。パナソニックの社長さん、という認識以外の知識を、今回初めてちゃんと獲得することができた。

 江口克彦さんが書きとめている50項目に整理された言葉を読んで、「こんなにも尊敬できる経営者がいたんだ」と、しみじみ思った。信頼できる経営者を見たことがない私にとって、松下幸之助氏の言葉を知ると「ああ、この人の下で働いたら、一所懸命努力できただろうな」と素直に思えるのだ。

 特に感動したのは、21項目目の「一人も解雇するな、一円も給料を下げるな」。ここまで社員のことを考えてくれる経営者がいたんだ、という事実に心が温かくなる。

 

 本書に書かれている松下幸之助氏の像は、江口克彦さんという側近からの像だ。だからもし今度機会があったら、もっと他の側面の松下幸之助氏を知りたいと思う。

 

ひとことの力: 松下幸之助の言葉

ひとことの力: 松下幸之助の言葉